Rebecca (1940)
監督アルフレッド・ヒッチコック
主演ローレンス・オリヴィエ
ジョーン・フォンテーン
またまた、ローレンス・オリヴィエ主演の映画。しかし、今回は趣向が違う。なんと、監督はかの有名なヒッチコック、しかも彼のハリウッド進出第1作目である。相手役のジョーン・フォンテーンはアメリカ人で、現代的な良くも悪くの普通の娘を演じている。途中で、あまりの弱々しさや夫を頼りすぎるところ、頭の足りなさにイライラするところもあるが、映画の後半で一気に夫をわきで支える立派な妻へと変身を遂げる。二人で困難を乗り越えることによって、妻と夫の立場が一気に対等になるのだ。だが、それ以前の若くて子どものように無知な彼女をいとも簡単に手の中で転がすように扱い、それでいて彼女を真摯に愛し、愛されるローレンス・オリヴィエの演技が素晴らしい。おそらく、この新妻とは10歳以上年が離れた設定であろう。フェミニズムや女性の権利が主張されるようになった今でも、こんな男性だったらひたすらに尽くしてみたいと思わせる、紳士ぶりである。実際、彼の元妻レベッカは、姿こそ見せないもののそれこそ気性の激しくプライドの高い社会的に成功した女性として描かれ、そんな妻に嫌気がさし、彼が選んだ新妻のジョーン・フォンテーンはそれとは真逆のキャラクターとして造形されている。しかし、最終的に勝つのは社会的名声を得た女でも、夫のいいなりになる女でもなく、驚異的な強さでもって夫を支え愛し続けた女なのである。
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